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HSPを科学的に検討することの意味

本の山

繰り返しますが、HSPを学術的に理解するためには、心理学の研究方法を学ぶことが役に立ちます。前のページでご紹介した心理学の教科書にも、研究方法の話は独立した章として含まれていたはずです。

研究方法の話は難しい

包み隠さずいえば、研究方法の話は、とても難しく、おそらく学習のモチベーションが上がりにくいランキングNo.1だと思います。


ちなみに、大学の心理学部や心理学科では、1年生や2年生のうちに、「心理学統計法」や「心理学研究法」などの授業を「必修」で履修することになります。早いうちに研究方法について学ぶのです。


そしてこれは「心理学あるある」なのですが、「心理学統計法」「心理学研究法」の授業は難しいので、ドロップアウトする(単位を落とす)人が多い印象があります。心理学を学ぶ人にとっての鬼門が「心理学統計法」「心理学研究法」だといえます。


例えば「心理学統計法」の授業では、その名の通り、数学(統計)的な話を学ぶことになります。実は、心理学は世間で思われているよりも「理系」な学問なのです。相手の心を読み取ったり、相手の心を思いのままに操ったりするのが心理学だと思われているようでしたら、そのギャップに驚かれるかもしれません。


心理学を学ぼうと心理学部のある大学に入学した新入生の中には、学問としての心理学を初めて学んで「それまで思っていた心理学のイメージと違った」と口にする人もいます。

心理学の専門家にとっては不可欠

長い余談を挟みましたが、ここであえて心理学の研究方法を取り上げるのには、HSPを学術的に学ぶ人にとってはそれが不可欠だからです。


これを理解していないと、どのような問題が生じるのか、以下にまとめてみます。

  • HSPの知見が、どのように生み出されているのかを理解できない

  • HSPの情報が、どのくらい科学的に適切なものかを評価できない

  • HSPの元情報(論文など)を十分に理解することができない

この問題を抱えたうえでは、心理学の専門家、あるいはHSPの専門家として、研究にもとづくHSP情報を発信するのは、なかなか厳しいものがあるように思えます。
 

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