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大学でHSPは学べるか?
HSPが日本で広く知られるようになって以降、本サイトの運営者のもとにはメールなどで「HSPを学べる、あるいは研究できる大学・大学院はどこですか?」と質問をいただくことが増えました。
本サイトの運営者も気になり、Googleで「HSP 研究 大学」といったキーワードで調べてみましたが、それらしいものはほとんど見つかりませんでした。
どちらかといえば、「HSP 研究 大学」というキーワードよりも、CiNiiなどのデータベースで「感覚処理感受性」と検索した方が、日本でHSPを研究している先生が見つかるように思います。
大学でHSPをテーマに研究指導している先生はいる?
日本でHSPが研究され始めたのはまだ数年といった背景もあり、現状として、日本でHSPを専門的に研究指導している先生は少ないと思われます。
ですので、大学でHSPを専門とする研究者から直接指導を受けたいと思っても、なかなか実現するのは難しいでしょう。ただ、大学でHSPが研究できないというわけではありません。HSPを専門にしていなくとも、HSPを卒業研究のテーマにした学生を指導されている先生はいます。
数少ない研究者の中でも、東京家政大学の平野真理先生、関西大学の串崎真志先生、そして本サイトの運営者は、各大学にてゼミを担当しているので、HSPを研究したいということであれば、直接的な指導の機会が得られるかもしれません。
ちなみに、日本よりも海外の大学院のほうが、HSPについて研究指導できる先生が多いと思われます。例えば、その一人にQueen Mary University of Londonのミカエル・プルース先生が挙げられます。環境感受性を専門にしているお茶の水女子大学の岐部智恵子先生もプルース先生のもとで修士号を取得されました。
プルース先生の研究チームが運営するサイトに研究者リストがありますので、海外にどのようなHSP研究者がいるのか知りたいときに役立ちます。
大学の授業でHSPが取り上げられることはあるか?
大学の授業でHSPが取り上げられることはあるのでしょうか? これもサイト運営者の知る限り、授業でHSPを取り上げる大学の先生は現状でほとんどいないと思っています。
大学の卒業研究でHSPをテーマにしたい人は、基本的には、大学の授業で心理学の知識やスキルを身に着けて、それをもとにHSPの論文を読んだりしながら進めていくことになると思います。
ちなみに、サイト運営者が青山学院大学で担当していた「自己理解」という授業の一コマでは、100分をかけてHSPについて取り上げていました。以下の図は授業のスライドの一部です。
自己理解を促すことを目的にした授業ですので、自身がストレスなどから影響を受けやすいかどうかを理解できるような構成にしています。
実感として、100分の授業のなかで伝えられることはとても少ないです。授業ではHSPという言葉やその学術的な考え方を知るきっかけをつくることに限られてしまいます。
HSPを学ぶために大学の進学先を検討されている方にとっては、厳しい内容になったと思いますが、ここまでをまとめると以下のような現状があるといえます。
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日本の大学で、HSPを専門に研究指導している先生は少ない
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大学の授業で、HSPが取り上げられることは現状として少ない